今話題のロカボ!無理なく、健康的に適正体重をめざしたいあなたにおすすめする「緩やかな糖質制限」 ダイエットって?

今話題のロカボ!無理なく、健康的に適正体重をめざしたいあなたにおすすめする「緩やかな糖質制限」 ダイエットって?

「ゆる糖質制限」ダイエットは、食事の量を厳格に減らしたり、カロリー計算とにらめっこしながらするダイエットではありません。

年代・性別問わず取り入れやすいダイエット方法であるため、テレビや雑誌でもよく目にしますが、正しい知識や方法、メリット・デメリットについてガイドしたいと思います。

糖質とは、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)のうち炭水化物の一部です。炭水化物は、人が消化吸収できる「糖質」と消化できない「食物繊維」の二つからできています。

ダイエットにも欠かせない三大栄養素

糖質は、身体にとって大切なエネルギー源ですが、必要以上に摂り過ぎてしまうと、余分な糖質(ぶどう糖)が、さまざまなトラブルを引き起こします。

糖質を摂りすぎると血糖値の急上昇によりインスリン※の増加が起き、ぶどう糖が「中性脂肪」に変化、さらに「体脂肪」として脂肪細胞に過剰にたまることにより「肥満」の状態を生んでしまうのです。

※インスリン
インスリンは血液中の糖質を細胞に取り込む命令を出すホルモン。血糖値が高いほど多く分泌されます。

「甘い糖質」と「甘くない糖質」

糖質は「糖+質」という字からできているので「甘いもの」と思われがちですが、実は糖質には「甘いもの」「甘くないもの」があります。

「糖質」制限だから“甘いもの”だけ我慢すればいいんでしょう?

と誤解されることが多いのですが、毎日の食生活の中で「甘い糖質」「甘くない糖質」両方を合わせた量を、摂りすぎないようにすることが重要です。

甘い糖質と甘くない糖質の違いは?

「甘い糖質」

甘い糖質とは

砂糖、水あめ、はちみつ、果物などの食べてそのまま「甘い」と感じる成分が「甘い糖質」で、ブドウ糖、果糖、砂糖などが代表的なものです。

ブドウ糖や果糖は、消化すると小腸まで届き、そのまま体内に吸収されます。一方、砂糖は、ブドウ糖と果糖が連結した物質ですが、摂取すると同様に小腸に届き、そこでブドウ糖と果糖に分解されて吸収されます。

「甘くない糖質」

甘くない糖質とは

米・麦・イモ類などの主成分である「でんぷん」が「甘くない糖質」の代表です。ご飯もパンもイモ類も(さつまいもなど甘い芋を除いて)食べても強い甘みを感じられませんが、実はたくさんの糖質を含んでいます。

「でんぷん」はブドウ糖が多くさん連結した物質で、消化の過程で小腸でたくさんのブドウ糖に分解されて吸収されます。

糖質制限するとどんなことが起きるのでしょうか?

糖質制限を実践すると、糖質の摂取が少ないため血糖値の上昇も対応して少なくなり、インスリンの分泌量は減ります。その分、インスリンの働きも穏やかになり、脂肪がつきにくくなるのです。

結果、消費されずに余ったぶどう糖が脂肪に変わりにくくなるので、太りにくくなることが期待できるのです。

緩やかな糖質制限ダイエット「ロカボ®」が現代人にはおすすめ!

「ロカボ®」は、「Low Carbohydrate」の略で、北里研究所病院糖尿病センター長でもある山田悟氏が代表理事を務める一般社団法人 食・楽・健康協会が提唱する食事法です。

糖質摂取を限りなく0に近づける糖質制限ダイエットではなく、もっと続けやすいゆるやかな糖質制限が推奨されています。

具体的には“糖質を制限した食事=糖質抜き”ではなく、1食あたりの糖質量を20~40gで3食食べ、それとは別に間食を1日あたり10g、1日の総糖質摂取量を70~130gにすることを定義しています。

日本人の平均的な糖質摂取量は1食あたり90~100g、1日の総摂取量で270~300gと言われていますので、大体半分以下くらいに糖質摂取を抑える「ゆるやかな糖質制限食」になります。

また、炭水化物や糖質に気をつければ良いので、血糖値を上げないタンパク質や油脂は、ほどほどに食べても大丈夫です。従来の「カロリー制限」を中心にしたダイエット方法では、食べる食品の種類も量もかなり制限しなければならず、長い間継続することが困難でストレスもたまりやすいのが問題点でした。

その点、「ロカボ®」なら、基本的には今まで食べていた「ご飯」や「パン」「スイーツ」の量に気をつけるだけで、何を食べても良いので長くゆるやかに続けやすく、生活に取り入れやすいのです。

炭水化物の代表、白米

そして、現代の日本人の食生活では、日常的に主食以外にスイーツの摂取や飲酒などで過剰に糖質を摂取しやすいため、ダイエットを目的としなくても健康のために糖質をゆるく制限した生活をすることは、メリットが大きいと考えられています。

糖質を一度にたくさん摂取すると、血糖値が急激に上がって血管にも負担がかかりますが、糖質制限を意識した食事を心がけることで、食後の血糖値上昇を緩やかにすることにつながるので、糖質制限食は血管や体にやさしい食習慣とも言えるのです。

ロカボ®の定義
糖質摂取推奨量:(20~40g)×3食 + 間食10g = 70〜130g
1食あたり 20~40g × 3食 + 間食は1日10g
★食べてはいけないものはない。規定の糖質量なら満腹になるまで食べてOK!

「糖質制限ダイエット」を始める前に、自分の今の肥満レベルを正確に把握しましょう!

BMIはBody Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称で、「ボディ・マス指数」「体格指数」などと呼ばれることもあり、現在BMIは、世界共通の計算方法で国際的に用いられています。

太りすぎややせすぎは病気にかかるリスクが高まるため、自分のBMIを把握するのは、健康を維持するために重要です。

BMIの計算式
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗] ※身長は cm ではなく m なので注意

【例】身長165cm 体重60kg の場合
60 ÷ 1.65の2乗 = BMIは約22.04

肥満の基準は国によって異なり、日本肥満学会は以下のように、BMIが25以上の場合を肥満と定めています。日本ではBMIが22のときの体重は標準体重または適正体重と呼ばれ、病気にもっともかかりにくい状態と言われています。

BMI肥満度判定
18.5未満低体重(やせ)あなたのBMIは標準よりも小さく、痩せていると判定されます。痩せすぎも良くありません。偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めます。きちんと食べて適度に運動するように心がけてください。
18.5~25未満普通体重あなたのBMIは標準の範囲内と判定されます。今の体重をキープするように心がけてください。ただし、体重は標準でも体脂肪率の高い「隠れ肥満」の可能性もあります。日頃から運動不足が気になる方は、適度に運動して自己管理に努めてください。
25~30未満肥満(1度)あなたのBMIは標準よりも高く、肥満気味であると判定されます。肥満はさまざまな生活習慣を引き起こす健康の大敵で、脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病にかかるリスクが2倍以上になります。食生活を見直し、適度な運動を取り入れましょう。
30~35未満肥満(2度)BMIが30を超えて高度な肥満と判定されると、リスクはさらに高くなり、積極的な減量治療が必要となります。食生活の見直しと適度な運動を摂り入れて現在の体重から3%減量にしましょう。
35~40未満肥満(3度)食事療法と運動療法等を組み合わせ現在の体重から、5~10%減量することが目標となります。
40以上肥満(4度)食事療法と運動療法等を組み合わせ現在の体重から、5~10%減量することが目標となります。

いかがでしたか?あくまでこのBMI値は指標ですので、普通体重の範囲でも健康診断や病院の検査などで指摘を受けたり、腹部の内臓の周りに脂肪がつく「リンゴ型」隠れ肥満などの場合は、食べすぎ・遅い時間の食事、お酒の飲みすぎ、運動不足などが原因と考えられますので、食生活・運動習慣の見直しを心がけましょう。

BMIは健康の指標です

糖質制限ダイエット実践編!

緩やかな糖質制限が「糖質を抑えれば満腹まで食べていい」から続けやすそうということはわかりました。

でも「主食の糖質を抑えて、おやつも糖質が低いものにすればいいのね?でもそれってどうやって選んだらいいの?」と悩んでしまいますよね!

そんなあなたのために毎日ゆる~く糖質制限ダイエットを続けるための実践講座です。

食品成分表は必ずチェック!

コンビニやスーパーでランチや食材を購入する時には必ず、食品の裏か横に記載されている「栄養成分表」を見てください。

ダイエット中は成分表をしっかりチェック

同じ種類の食品でもいくつかのメーカーから製品が出ていたり、味付けやフレーバーなどで種類があるものがありますが、それらについている栄養成分表を比較すると、カロリーや糖質他の栄養素の配合が、かなり違っていることに気付きます。

例えば栄養豊富・低カロリーで人気の豆乳はたくさんのフレーバーが出ていますが、糖質量がびっくりするぐらい違います。

プレーンなものは砂糖が添加されていないので糖質が低く、改めて比較するとそちらを選びたくなりますよね?たまには変わったフレーバーを間食として楽しんでOKですが、デイリーに購入する豆乳としては糖質をできるだけ抑えるのがベスト。

このようにどんなものを買う時でも、栄養成分表示をしっかり見てできるだけ低糖質、低カロリーのものを購入するようにすると、1個1個の食品、1回1回の買物での量は微量だとしても、一週間、一か月、1年と積み重なれば大きな糖質カット&カロリーカットにつながり、健康的な食習慣が身につけられます。

真っ白なものは極力食べない!栄養のないエンプティカロリーを避けて栄養豊富なものを食べましょう♪

真っ白なエンプティカロリーは避ける

お米も麦も雑穀も表皮に覆われた中に種子があります。果物やナッツ、イモ類なども表皮に包まれた中に柔らかい主成分が包まれています。

真っ白な白米100%のご飯やお餅、真っ白に精製された小麦粉で作られたパンやうどん、パスタ類、さとうきびを何度も精製した真っ白な上白糖や、上白糖を使って作られたお菓子は、雑味がないので食べやすく美味しいですが、精製の過程で米や麦の表皮、胚芽などに含まれる豊富な栄養素を失っています。

穀物は一粒一粒が植物が成長するための 種子であり、丸ごと食べることで最大限に栄養を摂取することができます。

つまり、精製前の段階が一番高栄養で一番自然なのにも関わらず、良い成分を取り去ってしまった状態が「白米100%のご飯」「真っ白なパン」なのです。お米は表皮や胚芽を取り去ってもなお、かなり食物繊維やたんぱく質を含んだ良質な穀物なのですが、やはり玄米に比べれば白米は低栄養と言わざるを得ません。

日常に摂る食事の中ではできるだけこの「真っ白に精製された」状態の食品を避けて、ミネラルや食物繊維を含んだ茶色い食品をチョイスするようにすると、自然に糖質が抑えられ食物繊維が豊富なバランスの良い食事に近づけることができます。

ご飯であれば白米ではなく「玄米」「七分突き米」にしたり「雑穀」を加えて栄養や繊維を添加したり、「乾燥こんにゃく米 こんにゃく一膳」を加えて炊くこともこんにゃくの持つ「豊富な水溶性食物繊維」と「カルシウム・セラミドなどのミネラル」を添加できるのでおすすめです!

パンであれば「全粒粉」や「ライ麦」で作られた食べ応えのあるハード系のパンや雑穀入りのドイツパンなどにしましょう。真っ白なパンと違って食べ応えもあり空腹になるスピードも、遅くなるのが実感できると思います。

スイーツを食べる時も「黒砂糖」「てんさい糖」「メープルシロップ」などの精製されていない砂糖を使ったものをセレクトすると、糖質が低く抑えられます。

日常的に飲む飲み物にも注意が必要です。

「甘いものは殆ど食べない」という方でも飲み物には甘い炭酸飲料、ヘルシーだからと糖分がたくさん入った野菜ジュース、健康効果をうたったヨーグルト飲料、缶コーヒー、エナジードリンクなどを1日に2~3本摂っていることが少なくありません。

水分補給は代謝を活発にして消費カロリーをあげるためにも大切なので、飲み物については水かお茶、ノンシュガーのコーヒーなどにすることを心がけましょう。

ダイエット中は飲料にも注意

真っ白な「エンプティカロリー」の食べ物に注意

みなさんは「エンプティカロリー(empty caloreis)」という言葉をご存じでしょうか?

「エンプティカロリー」とは直訳すると「空っぽのカロリー」という意味。栄養学における言葉で、カロリーはあるが体に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれていない【栄養素が空っぽな=エンプティな食品】のことを指します。

精製された真っ白な小麦粉と真っ白な精製糖でできた菓子パンやケーキ、ジャンクフード、スナック菓子、1本に角砂糖10個分もの糖分が入っているソフトドリンク、ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーや紅茶などは、脂質や糖類がほとんどで、ビタミンやミネラルといった身体に必要な栄養素が極端に少ないため、カロリーだけが多く「栄養」を摂ることができない、とてもバランスの悪い食品です。

エンプティカロリー食品を長期間食べ過ぎることは、肥満や便秘、生活習慣病など様々な病気の原因となると言われ、糖質制限食としても望ましくありません。

今までの食生活の中や、あまり成分を気にせず購入していた食品や食事を、「栄養が豊富でより自然の形に近い」ものに変えるだけで、無駄な「エンプティカロリー」を摂らない「ゆるい糖質オフ」な食生活習慣にしていくことができます。

ダイエットを行う際の注意点

糖質制限ダイエットを行う際の注意点

緩やかな糖質制限は性別、年代を問わず、健康的なダイエットを行いたい方、より健康状態をアップさせたい方におすすめの食事方法ですが、幾つか気をつけていただきたいことがあります。

糖質制限を実践していると、食事の総量を減らしてしまう方が多く、摂取エネルギーが不足してしまいがちです。

そうすると、身体はエネルギー源となるブドウ糖を筋肉を分解して作り出すようになるため、筋肉量が減ってしまい体重が落ちるだけでなく、基礎代謝量が減ってしまうのです。

そうならないために、ゆる糖質制限中は意識してタンパク質と適量の良質なオイルを積極的に摂るようにしましょう!ダイエット中だからと肉をやめて魚や豆腐だけにする方がいますが、肉は栄養価の高いたんぱく質が豊富なので毎食、手のひら分くらいは摂りたい食品です。

朝食などでたんぱく質の摂取が難しい場合は、豆乳や牛乳にプロテインやきな粉を入れると簡単にしっかりたんぱく質を増やせるのでおすすめです。

また、早く痩せたいからと言って糖質を極端に制限すると、体に必要な基本的なエネルギーを吸収するためにどんどん筋肉を分解することになり、体に負担がかかるばかりかどんどん痩せにくい、基礎代謝の低い身体になりさらに痩せにくく……と結局はダイエットにも挫折することが多いのでおすすめできません。

適正量の糖質を摂り、見直した食生活を長く続けることでストレスを過剰に感じることなく、徐々に体が適正体重になっていくことが理想です。

緩やかな糖質制限がおすすめ

※下記に該当される方は、ゆるやかな糖質制限食を始める前に、ご注意ください。

糖尿病、その他の生活習慣病などで食事指導を受けている方は、かかりつけの医師や管理栄養士さんにご相談の上、糖質制限を始めるようにしてください。

「ロカボ」はもともと、糖尿病の方のための食事方法として推奨されていますが、インシュリン注射や投薬を受けている際は、必要な摂取カロリーの維持に特に注意が必要です。