『月に数回食べる脇役』から『毎日欠かせない食材』へ!日本のスーパーフード「こんにゃく」のPR活動に邁進する「財団法人 日本こんにゃく協会」訪問レポート!
日本に「蒟活」でヘルシー&笑顔を広げることを目的とした「蒟活公式サイト」では、日本のこんにゃくついて聞くならここしかない!と言われる「一般財団法人日本こんにゃく協会」を取材させていただきました。
「日本こんにゃく協会」は日本のこんにゃくの「生産者」「原料業界」「製造業界」が3者一体となり、こんにゃくの流通・消費の調査・研究、こんにゃくの消費拡大のための広報宣伝活動・情報提供に関する事業を行っている団体です。
事務局長の原田さん、局員の菊池さんにお話しを伺いました。
【Q1】毎年、開催されている「こんにゃく協会主催セミナー」について。
参加者の皆さんはどのような方が多いのでしょうか?
今までで印象に残った登壇者の方のエピソードはありますか?
原田さん・菊池さん
「土井善晴さん、平野レミさん、浜内千波さん、コウケンテツさんなど、とても人気の高い料理研究家の方にご登場いただいたので、参加者の皆さんには大変ご好評をいただきました!
参加者の皆さんは新聞告知にご応募いただく形ですが、50代~60代の女性の方が多く、皆さん「こんにゃく」についての「腸活」「ダイエット効果」「おいしい食べ方」などに興味を持ち、参加してくださっています。」
【Q2】こんにゃくが苦手という方は、こんにゃくに残る匂いが気になるようです。
これをカットするおすすめの秘策がありましたら教えてください。
原田さん・菊池さん
「現在、店頭で販売されているこんにゃくは匂いが少なく、さっと水洗いするだけでそのまま美味しく召し上がっていただけるものが殆どですが、煮る・焼くなどの加熱調理をすると匂いが消えるので、特に苦手な方には「煮物・スープ・おでん」など、火を通した料理に使用するか、さっとゆでて使うことをお奨めします。」
【Q3】糖尿病患者の食事指導に「日本こんにゃく協会」様で発行されている、「こんにゃくレシピ」が役立てられているそうですが、どのように活用されているのでしょうか?
原田さん・菊池さん
「全国各地にある「日本糖尿病学会の認定教育施設」「教育関連施設」の病院で日本こんにゃく協会特製のレシピ集を「糖尿病」患者の方の食生活指導・教育のため役立てていただいています。
おいしく食べよう!美味しい・ヘルシー・簡単 こんにゃくレシピ (外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
こんにゃくはカロリー・糖質ともに低く、糖質制限・カロリー制限が必要な患者さんにとてもうれしい食材ですが、どうしても食べ方が昔からの煮物・おでんなどにの和食に偏りがちです。
「日本こんにゃく協会」のレシピ集は洋食・中華・イタリアン、スイーツなど様々なメニューが豊富なので、皆さんに喜ばれています。
また今年からは「日本消化器病学会」認定病院にもレシピ集を提供しており、「腸活」の教育に役立っています。」
【Q4】「日本こんにゃく協会」様のレシピ集の中で、特に人気のレシピや、おすすめの食べ方がありましたら教えてください。
原田さん・菊池さん
「『しらたきのチャプチェ』は特に人気のメニューです。cookpadにも協会レシピの一部を掲載しているのですが、そこでもとても人気なんですよ。
『こんにゃくラーメン』なども美味しいですが、中華麺は麺自体に味があるので、どちらかというと春雨、ビーフンなどの元々『しらたきに近い味・食感』のものと差し替えるメニューはすごくマッチしています。
また『ミネストローネスープ』に入れるのも簡単でトマト味に合うので人気ですね。
特におすすめの食べ方としては、鍋の後の〆のうどんや麺の代わりに『しらたき』を入れると、味染みもよくさっぱりした味が楽しめ、しかも麺類を入れるよりも断然ローカロリーなので病みつきになりますよ!」
【Q5】日本は昔から自然災害や飢饉に見舞われることも多く、カロリーが豊富ではなく育てにくい食材の「こんにゃく」が積極的に栽培されてきたことは、とても素晴らしい食文化だとだと思います。
そんな「こんにゃく」が日本人に愛されてきた理由ベスト3はなんだと思われますか?
原田さん・菊池さん
理由その1:奈良時代、日本に入ってきたこんにゃくは食用ではなく「薬」として伝わってきました。「薬効」を期待した人が多く、「体に良い」「薬にもなる」といった良いイメージがつき、「薬」としてまずは定着したのです。
理由その2:「こんにゃく」は江戸時代以前までは、貴族や禅寺の精進料理、お金持ちの商人や武家などの「富裕層」だけが口にできる『高級食材』でした。
庶民は口にできなかった憧れの味であったからこそ、江戸中期に「こんにゃく粉」が開発されて庶民でも「こんにゃく」が手に入るようになり全国に広まると、大人気の食材になったのだと思われます。
江戸後期には「蒟蒻百珍」という100通り近いこんにゃくの食べ方が掲載された「レシピ本」が発行されたほどです。
理由その3:お寺で食べられてきた「精進料理」では、疑似肉として豆腐製品や、こんにゃく料理が発展しました。
農耕民族である日本人は肉食をしなかったため、肉のように「弾力」「噛み応え」のある食材があまりなく、「疑似肉」「おかずとしての独特の食感」としてこんにゃくが重宝されたのだと思われます。
【Q6】日本では全国的に江戸時代から続くような老舗のこんにゃく屋さんが多く、山間部では伝統的にこんにゃく芋が栽培されています。近年の生産地状況はどのようになっていますか?
原田さん・菊池さん
やはり日本のこんにゃく農家は「群馬県」が圧倒的に多く、こんにゃく農家の規模も大きいです。
次いで「栃木県」が盛んで北関東が日本のこんにゃく産地の中心です。古来からこんにゃく芋は全国的に農作物が育てにくい「山間部」の水はけのよい傾斜地で栽培されており、小規模農家が多くその状況は変わっていません。
【Q7】イタリアで大流行した「ZEN PASTA」など、こんにゃくやしらたきが日本以外の国でも人気になり、健康食・ダイエット食としてシェアが拡大しています。
今までほぼ、日本でしか食べられてこなかったこんにゃくが、こんな風に世界的に人気の食べ物になることを、想像されていましたか?
原田さん・菊池さん
「はい!実はこんにゃく業界でも、20年以上前からアメリカなどで「こんにゃく」のPR活動を続けてきました。
ローカロリーで食物繊維も豊富なスーパーフードである「こんにゃく」は、日本以外の国の方たちにもマッチする健康食なので、手軽に手に入り食べ方が認知されれば必ず人気が出ると思っていました。
最近はグルテンフリーブームでも注目され、様々な国で食べられているようです。」
【Q8】タピオカのブームなどでこんにゃく精粉の需要がここ数年伸びているとていると言われています。
またダイエット市場における「こんにゃくゼリー」「こんにゃく麺」「こんにゃく米」などの人気も世界的に上がっています。
これから新しく人気になりそうな「こんにゃく商品」はありますか?
原田さん・菊池さん
「やはり近年人気の『こんにゃく米』『こんにゃく麺』などに注目しています。
「こんにゃく」は腸活にぴったりな食物繊維が豊富な食材で、ほぼノンカロリーなため、毎日食べていただくのがおすすめのなのですが、従来の「日本食」のおでんや煮物、田楽などだけの食べ方だと飽きてしまいます。
本当は、洋食、イタリアン、中華、デザートなど様々な食べ方ができて美味しいのですが『おかず』だけで食べるより、『主食の代替』『主食をカロリーカットするため』として気軽に毎日食べていただくことは、新しい食べ方としてすごく理想的だと思います!」
【Q9】日本の地域により、こんにゃくの特性・種類などに違いはありますか?
原田さん・菊池さん
有名なものだと一説には織田信長が作らせた?と言われる、滋賀県の「赤こんにゃく」でしょうか。三二酸化鉄(さんにさんかてつ)という食品添加物が入っているので、鮮やかな朱色になる珍しいこんにゃくです。
そして、関東~西日本の一般的なこんにゃくはアラメ(カジメ)の海藻の粉などを混ぜて黒くした『黒こんにゃく』ですが、青森・北海道などの寒冷地のこんにゃくは海藻を入れない『白こんにゃく』です。
昔はこんにゃくを「こんにゃく芋」から作っていたため、こんにゃくはこんにゃく芋の皮や繊維などが入った黒っぽい色でした。そのため白い「こんにゃく粉」だけで作る「白こんにゃく」が作られるようになっても、海藻を入れた「黒い」こんにゃくが「定番のこんにゃく」として好まれ続けています。
「こんにゃく芋」が栽培できない寒冷地の青森近辺~北海道では、他の地方から来たこんにゃく粉で作る『白こんにゃく』しか作れなかった歴史があるため、今でもその伝統が続き『白こんにゃく』が主流です。
【Q10】「日本こんにゃく協会」様として、今後、「こんにゃく」の普及・人気アップを目的とされる中で目指されていること、計画などはありますか?
特に、国産こんにゃく普及のためにどのような取り組みをされていますか?
原田さん・菊池さん
「こんにゃくを月に数回食べるもの」ではなく、毎日食べると健康に役立つ食材として認知していただけるように、定番の和食に捉われない新しい食べ方を提案し、「こんにゃく」「しらたき」をもっと、一般の方に食べていただくことを目指しています。
そのために、全国の病院や保健所などで食事指導に役立てていただく「こんにゃくレシピ集」を発行したり、「こんにゃく」の魅力をより広くアピールするために「こんにゃくセミナー」を開催し、その内容を全国紙に掲載するなど、「こんにゃく」の普及活動に努めています。
取材を終えて
日本こんにゃく協会事務局長の原田氏、局員の菊池氏に、日ごろから『こんにゃく芋、こんにゃく精粉、こんにゃく製品』それぞれの生産者、一般消費者と密接に接されている中で得られた様々な情報や知識を伺うことができ、大変勉強になりました。
「こんにゃく」は私たちの毎日の食生活に欠かせない食材ですが、今まではどちらかというと、おでんでも煮物でも『名脇役』の立ち位置が多かったように思います。
『こんにゃく一膳』や『こんにゃく麺』などの、『主食に替わる・混ぜる』食べ方は、生活習慣病や腸の健康などを気にする方が増えている「現代日本人」にぴったりだと改めて思いました。
『蒟活公式サイト』ではこれからも魅力ある『こんにゃく』『ヘルスアップ』に役立つ情報を積極的に発信していきたいと思います!