ライスサラダ風

こんにゃくダイエットの3か条&簡単おすすめレシピ

ローカロリーで食物繊維が豊富なダイエットフードとして、海外でも注目されている「こんにゃく」。

煮物などのおかずに使用されるだけではなく、最近では麺やごはん代わりに食べられることが増えています。

そこで今回は、こんにゃくをダイエットフードとして使用する場合の効果的な使用法や、無理なく成功できる「こんにゃくダイエットレシピ」をご紹介します。

記事の執筆・監修
平原あさみさん 管理栄養士・こどもの食アドバイザー・一般社団法人 東京築地目利き協会 認定講師
平原 あさみ さん
「食べることは生きること。一生を食とともに」をモットーに、健康に関するコラム執筆、テレビ・雑誌への出演、企業タイアップの栄養監修など多方面で活動中。
主な監修本に『みきママのスーパー離乳食&パパごはん』(主婦の友社)、『みきママのあと3kgやせるおかず』(宝島社)など。

こんにゃくの基本知識を学ぼう!

日本人にはおなじみのこんにゃくですが、皆さんはこんにゃくについてどのぐらい知っているでしょうか。

ダイエットを始める前に、しっかりとこんにゃくの栄養について知っておきましょう。

こんにゃくは食物繊維が豊富な「こんにゃく芋」という芋から出来ています。まず、食物繊維についておさらいしておきましょう。

以前は栄養にならないので見向きもされませんでしたが、食物繊維摂取量と病気の関係にまつわる論文が出されてからは、徐々に注目されるようになりました。

様々な研究によって食物繊維の効能が分かり、現在では第6の栄養素と呼ばれています。

食物繊維にはいろいろな種類がありますが、大きく分けると2種類に分けられます。

水溶性の食物繊維

水に溶ける食物繊維。植物の細胞内や分泌物に含まれており、果物や海藻などにも多く含まれています。

不溶性の食物繊維

水に溶けない食物繊維。主に野菜や豆、穀類などに多く含まれます。水分を吸収して便のかさが増すので、毎朝のスッキリに役立ちます。

こんにゃくには水溶性食物繊維の「グルコマンナン」が豊富です。昔からこんにゃくは、「腸の砂おろし」「体の砂払い」といわれていました。

こんにゃくの食物繊維が腸の大掃除をしてくれることがわかっていたのかもしれませんね。市販のこんにゃくは製造の過程で「不溶性食物繊維」に変化します。

市販のこんにゃく製品で(グルコマンナン入り)と記載があるものは、水溶性食物繊維が多く含まれているのでオススメです。

ダイエット中の食事バランスを整えよう!

ダイエットといえば、食べたいものを我慢したり、頑張らないと痩せないのではというイメージがあるかと思います。

たくさんあるダイエット法の中で一番簡単に始められるのが、食事の摂取カロリーを抑える方法です。

この方法はとても簡単ですが、やり方を間違えるとリバウンドに繋がったり、体力や筋力が減少してしまう場合があります。

また、特定検診などで引っかかってしまう方の食事内容を伺うと、1品で完結する料理を食べていることが多く見られます。

例えば、朝食は摂らずコーヒーのみ、昼食は1つで完結してしまうようなパスタや丼もの。夜は遅い時間に帰宅し、アルコールにおつまみ。

このようなスタイルは、栄養素の代謝を促してくれるビタミン・ミネラル類、そして食物繊維が足りていない傾向があります。

食事の際には以下のポイントに気をつけましょう。

  • (1)朝食をしっかりと食べる

    朝食の役割は栄養の補給だけではありません。体に目覚めの合図をして体内リズムを整え、消化吸収からその日の睡眠の質にも関わるという大切な役割があります。

    特に体内リズムを整えるのに適した組み合わせは炭水化物(糖質+食物繊維)とたんぱく質だといわれています。

  • (2)単品で完結するものを選ばない(ラーメン・丼・うどんなど)

    外食の際に単品を注文する場合でも、野菜が入っているものやサイドメニューでサラダや野菜系のおかずを1品増やす、たんぱく質(卵など)をプラスする、などの工夫で食事のバランスが整います。

    出来るだけ主食・主菜・副菜を食べるように意識してみましょう。

    また、夜に暴飲暴食してしまった時には、次の日の朝ごはんは空腹を感じるまで待つことをオススメします。野菜をいつもより多めに摂ることで、前日に崩れてしまった食事バランスをリセットすることができます。

  • (3)食物繊維を必ず意識する

    外回りの人はおにぎりを買うこともあるかと思いますが、今はコンビニなどでも大麦入りのものが購入できます。

    また、野菜たっぷりのスープも売られているので利用するのもオススメです。

  • (4)糖質(ご飯・麺類・パン)を減らしすぎない

    ダイエット中は糖質を控えがちですが、糖質は体を動かすエネルギーにもなる重要な栄養素です。

    あまりに量を減らしてしまうと、体を動かす燃料がなくなってしまいます。最低でも1食に自分の握りこぶし1/2〜1個分のご飯は摂りましょう。

    また、たんぱく質は自分の体重と同じぐらいの量が推奨されています。目安として、手の平に乗るぐらいの量を1食に摂りましょう。

    最後に野菜ですが、生野菜なら両手に山盛り1杯分。温野菜なら片手に乗る量が1食分の目安。これで120gほどの野菜を摂ることができます。

    ちなみに、ついつい食べ過ぎてしまう夕食にオススメなのが、汁物などの温かい料理。温かいものを食べることで気持ちが安らぎ満足感を得られ、その結果食べ過ぎを防ぐことができます(温かいものなら煮物でもOK)。

  • (5)最後の食事は就寝3時間前まで

    起きてから14~18時間後あたりから、体内に脂肪を貯めやすくするたんぱく質が増えてしまいます。

    忙しくて夕食がどうしても遅くなってしまう方は、夕食前に腹持ちの良い軽食(主食になるもの)を食べ、帰宅後に消化の良い軽めのもの(主菜になるもの)を食べる方法がオススメです。

    先に少し食べておくことで、帰宅後の“ドカ食い”を防ぐことができます。帰宅後に食べるなら、豆腐料理、煮物、魚料理、具沢山のスープなどがオススメです。

  • (6)おやつは1日1回だけ

    ダイエットにおやつは大敵ですが、よくないとは分かっていてもやめられないという方は多いのではないでしょうか。

    おやつは食べてもOKですが、回数、制限時間を決めましょう。朝から午後三時までは太りにくい時間帯だといわれています。おやつを食べ過ぎてしまった場合は、夕食の主食を調整するようにしましょう。

    おやつのカロリーは多くても200キロカロリーまで。朝食、昼食、夕食のバランスを整え、間食をしなくてもお腹が満たされるようにすれば、徐々におやつを食べない習慣にシフトしていけるでしょう。

糖質制限で主食を食べない人が増えていますが、朝食・昼食は日常生活の中でカロリーを消費しやすい時間帯です。

健康維持のためにも、主食は食べるようにすることをオススメします。

ありがちなのは主食を食べずに間食をして糖質を摂取してしまうことです。前述したように、糖質を摂る時には必ず食物繊維を一緒に摂りましょう。

おやつで摂る糖質よりも、食事で摂る糖質の方が効率よくエネルギーに変換されます。

ダイエットにオススメ!腸内環境を整えよう

ダイエットに成功したら、今度はそれを維持するのも大切です。

食物繊維には栄養の代謝の要とも言える腸内をきれいにする働きがあります。

私たちのからだにはフローラといわれる常在菌の集まりがあり、それらは私たちの健康に影響を及ぼすことがわかってきました。

特に大腸に集まる腸内フローラのバランスが崩れると不調の原因となるという研究結果が報告されています。

腸内フローラが最も多く住みついているのが大腸です。大腸内には100兆個もの細菌がいて、食物繊維などを分解してエサにしています。

腸内のフローラを整えることで、体のトラブルやストレスに強くなるという研究が近年発表されています。

腸内フローラを整えるには、食物繊維が豊富な食材を召し上がるのがいいのですが、一緒に乳酸菌も一緒に摂ることもオススメです。

乳酸菌と聞くと、ヨーグルトを思い浮かべますが、日本人が昔から食べてきた料理にも実は乳酸菌がたっぷりと入っています。

それは「味噌汁」です。

味噌汁は加熱して作るので、熱に弱い乳酸菌が死んでしまうのでは?という懸念もありますが、熱で死んでしまった乳酸菌も実は腸内細菌の餌になるのです。

荒れた畑では作物が十分に育ちません。同じように腸内の状態が悪いと、せっかく取り込んだ栄養も吸収されにくくなり、栄養バランスが整わないことで痩せにくいからだになってしまいます。

味噌汁に野菜やきのこをたっぷり入れて、毎日の食事に取り入れてみてください。

食事の際には食物繊維を一緒に摂ることをオススメしましたが、これはご飯と一緒に炊き込むだけの「こんにゃく一膳」で簡単に実現できます。

ご飯(精白米)には不溶性食物繊維が含まれており、「こんにゃく一膳」を一緒に炊き込むことで、簡単に不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランスよく摂ることができます。

ダイエットを長く続けるコツは、ムリ無く続けられること。日々の食事に取り入れることをオススメします。

毎日の生活でたまにはご飯ではなくパンも食べたい…という方もいらっしゃるかもしれません。そこで、パン食にもぴったり、1品で満足感をしっかり得られるサラダのレシピをご紹介します。

誰でも手軽にダイエット!「こんにゃく一膳でライスサラダ風」

ライスサラダ風

材料(2人分)

こんにゃく一膳2袋
顆粒コンソメ小さじ2(固形の場合は1個)
300cc
サラダチキン、または茹で鶏1パック(約100g)
パプリカ1/2個
リーフレタス4枚
ミニトマト2~3個
(A)オリーブオイル大さじ1/2
(A)レモン汁小さじ1
(A)塩こしょう少々

作り方

  1. 1.鍋に水100ccを沸かし、こんにゃく一膳を入れる。顆粒コンソメを加え、弱火で10~12分ほど煮る。火を止め、蓋をして10分ほど蒸らす。ざるで水気を切り粗熱を取る。
  2. 2.サラダチキンは食べやすい大きさに切り、パプリカは粗みじん切りにする。リーフレタスは食べやすい大きさにちぎり、ミニトマトはヘタを取って半分に切る。
  3. 3.ボウルに2、(A)を入れ全体を混ぜ、塩こしょうで味を整える。

調理のポイント

コンソメを入れた湯で煮ることで、こんにゃく一膳に下味がつき、より美味しく食べられます。1品でビタミン・ミネラル・たんぱく質が摂れる、栄養バランスにも優れたサラダです。

パプリカでビタミンを補給

カラフルな色のパプリカ。赤パプリカにはカプサンチン、黄パプリカにはゼアキサンチンというカロテノイドといわれる抗酸化物資が含まれています。

さらに抗酸化作用のあるビタミンCが野菜の中でもトップクラスに含まれていて、オススメの野菜です。また、色の濃い野菜は脂との相性も良いので、ぜひ覚えておいてください。

サニーレタスでミネラル(カリウム)を補給

カリウムは体から不足しやすい栄養素ですので、積極的に摂って頂きたいです。

甘いものやアルコールもカリウムを減らす原因になるので気を付けましょう。

鶏肉でたんぱく質を補給

鶏肉には良質なたんぱく質はもちろんビタミンA、パントテン酸も豊富です。パントテン酸は炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝に関わる栄養素です。

また、鶏肉にはイミダゾールジペプチドという物質が含まれており疲労回復に期待できるといわれています。

まとめ

  • 1.ダイエット中は食事バランスを整える!

    主食・主菜・副菜の3つをが揃っていれば食事バランスは整う。

  • 2.食物繊維を意識する!

    糖質を摂る時は必ず食物繊維を一緒に。

  • 3.食事は寝る3時間前までに摂る!

    食事時間が遅くなった時には「分食」しよう。

カロリーを抑えることだけを気にして食事の量を減らすことは、健康とは言えません。しっかりと食べられ、満足感のあるこんにゃくダイエットを続けながら、1日に必要なタンパク質、炭水化物、食物繊維といった栄養素のバランスも意識してみてくださいね。