焼く・煮る・蒸す以外に、新しく登場した第4の調理法を
ご存じでしょうか?とにかく簡単に調理ができて、旨みがぎゅっと凝縮され、
煮崩れも防げるというメリットがいっぱいの画期的な調理法です。
時間がかかる調理法ではありますが、
下ごしらえはとても簡単で難しいと思いがちだったロースト
ビーフも美味しくできあがります。
話題の第4の調理法である、真空調理・低温調理について、
美味しい真空調理法もあわせてご紹介します。
- そもそも低温調理って何?
- 調理には注意点も
- パサつきがちな鶏肉も低温調理でしっとり
- 豪華メニューも真空調理で簡単完成!
そもそも低温調理って何?
真空調理とは、調理する食材を生の状態のまま、または必要に応じて調味料と
一緒に真空パックで真空状態を作って調理する方法です。
食材を真空包装にするメリットとしては、食材の酸化を防止し、
食材内の空気が抜け出る代わりに調味料が食材に効率良く染み込むことです。
さらには、空気を抜くことで食材の内部の空気が膨張してしまうのを防ぎ、
食材の細胞が破壊されないといったことも挙げられます。
真空調理と低温調理はほぼ同じ意味で使われ、
真空パックに入れた食材を湯銭などの低温で長時間加熱するという調理法であり、
これまで主流であった焼く・蒸す・煮るという調理法に
新しく加わった第4の調理法ともいわれています。
低温調理のメリットとしては、低温調理は食材が変質してしまうのを抑えることです。
例えば、肉や魚の主成分であるタンパク質は約62℃を超えたときに固まり始め、
約70℃を超えてしまうと分水作用を起こして細胞内から水分が出てしまいます。
そうなってしまうと肉や魚は固くなり、水分が抜けてパサついてしまう原因や、
食材が大きく縮む原因にもなります。
しかし、約55~70℃での低温で長時間じっくり加熱すると軟らかくジューシーに仕上がり、
風味や旨味を逃さすことなく調理ができます。
調理には注意点も
真空調理では衛生面に注意が必要です。
食材である肉や魚に食中毒を引き起こす細菌が繁殖している可能性がありますので、
十分に注意しましょう。
古い食材はできるだけ避けるようにするほか、
菌が活発に活動する温度の40~55℃を長時間キープしないようにすることが大切です。
食中毒を防止するためには最低でも75℃程度の温度が必要だといわれていますが、
肉類などについているさまざまな菌を殺菌するために、
厚生省は75℃以上で1分以上の加熱を推奨しています。
また、肉類のなかでも特に豚肉は寄生虫のリスクが高いので低温調理は避け、
高温で調理することをおすすめします。
低温調理に炊飯器を活用する人もいますが、
炊飯器を使えば安心だということはありません。
調理温度以外にも、まな板や包丁といった調理器具をきちんと消毒し、
清潔に保つことも重要です。
手指もきれいに洗ってから調理を始めるなど、
基本的な衛生対策も必ず行ないましょう。
パサつきがちな鶏肉も低温調理でしっとり
鶏肉の調理は非常に加減が難しく、
通常の加熱処理を行なうとどうしてもパサパサした食感に仕上がってしまいがちですが、
真空調理を用いて低温調理をすると鳥ムネ肉もしっとり美味しくすることが可能です。
その調理法は非常に簡単で、
ガーリックパウダーなどの好みの調味料を鶏肉にしっかり擦り込んで
真空パックで真空状態をつくり、冷蔵庫で一晩寝かせます。
その真空パックを水の入った鍋に入れて一度沸騰させ、
沸騰したらお湯ごと炊飯器に入れて保温ボタンを押して2~3時間保温するだけです。
このような簡単な調理で見事にしっとりした鶏肉料理ができあがります。
その理由は肉のタンパク質にあり
、肉のタンパク質には大まかにいうとミオシンとアクチンがあり、
ミオシンは肉を美味しくする反面、アクチンは肉を硬くして水分を逃がすという曲者です。
このアクチンは環境にもよりますが66℃から73℃で変性するといわれていますので、
い
豪華メニューも真空調理で簡単完成!
真空調理を用いると、難しいと思われがちなローストビーフや
ローストポークも簡単に調理が可能です。
牛肉や豚肉にニンニクや塩コショウといった調味料を擦り込み、
真空パックで真空状態を作ったら、沸騰させたお湯に投入するだけです。
お湯が自然に冷めたら真空パックを取り出し、
フライパンなどで焼き目をつけたらできあがりです。
調理する際のポイントとしては、肉をきちんと常温に
戻しておくことをおすすめします。
また、肉が大きすぎる場合は芯まで加熱が難しくなるため、
400g程度に切り分けたほうがいいでしょう。
このように、真空調理で作るローストビーフやローストポークは
誰でも簡単にでき、失敗もありません。
見た目も豪華ですので、おもてなしにも最適です。
低温調理は通常の料理より時間がかかりますが、
旨味を逃すことなく食材に味を浸み込ませることができますので、
病院などでも積極的に取り入れられている人気の調理法です。
真空調理は真空パックさえあれば誰でも簡単にジューシーで
旨みたっぷりの料理を作ることができます。
衛生面など気をつける点はいくつかありますが、
きちんと管理を行なえば問題はないでしょう。
真空調理を楽しみ、美味しい料理でテーブル彩ってみてはいかかですか?
暮らしの幸便
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